ウオッカが取り消した時点で、ほぼどんなレースになるのかは決まってしまった感じでしたが、まあ見事にその通りのレースになりました。
要はダイワスカーレット以外には強い馬はいなかったということでしょう。
ダイワスカーレットにケチを付ける気はありませんが、残念なのは、この馬自身文句の無い内容で勝っているのに、その強さが伝わってこないことです。
凄みとでも言いましょうか。
よく「勝ちに行く」という言葉を使いますが、殆どの場合が「一発狙いに行く」という中身になっているように思います。
相手のことは気にせずに、自分の力を出し切って、嵌るかどうか、という競馬。
しかしそれではダイワスカーレットには勝てないのは明らかなわけで。
自分が思うに、真に「勝ちに行く」というのは「負かしに行く」ということだと思うのです。
そんな相手に勝ったり負けたりするから伝わってくるものがあるわけで、そういう意味ではダイワスカーレットは相手に恵まれませんね。
この馬に勝負を挑んだのはまだ立場の違った桜花賞でのウオッカだけで、今回の結果からしてもこの馬を負かしに行けるのはやはりウオッカだけのようです。
今回もしウオッカが出ていたとしても、前半からべったりマークする形でなければ、勝つことは出来なかったでしょう。
しかし、いつかそんな競馬が見たいですし、それを捻じ伏せるダイワスカーレットに「やっぱ強いわ」と言ってみたいものです。
いくらダービーを勝っていても、この後ジャパンカップを勝つことがあっても、このままではウオッカは「それでもダイワスカーレットには勝てなかった馬」になりますよ。
もちろん、それを導くのは人間。
人間の意思が無ければ競馬の世界に名勝負なんて生まれません。


スイープトウショウがここで引退のようです。
前走にしても、このレースにしても、ただ回ってきただけで、この馬らしい迫力が全く伝わって来ない感じでした。
それでもこの数字ですからやはり大したもんですけど。
今回はとにかく無事に回ってきて欲しいとだけ思っていました。
無事に終わって良かったですね。
この馬は、もう少しだけ性格が良かったらどれだけの結果を残せたのか、と思わせます。
でも、そんな性格だったからこそ、これだけの印象を残してくれたのかも知れませんね。