トライアルが終わりました。
前に今年は上がり馬が見当たらない、と言いましたが、果たしてどうでしょうか。


まずは秋華賞に関して。
紫苑Sでは春の実績馬が取りこぼした形にはなりましたが、すっかり前に行けなくなってしまっているラブカーナが追い込み切れなかったのとミンティエアーの謎の凡走ですから、アルコセニョーラが力を付けてきているのは認めても本番ではどうでしょうか。
一方のローズSは春の実績馬が上位を占める形になりました。
それも大体春の力関係通りに。
レース後の武豊のコメント通り、一番強いのにあんなペースで逃げられたら、と言う結果でしたが、当のダイワスカーレットには春ほど行きたがるところは見られませんでしたから、その辺りは成長でしょうか。何よりも、無理に押さえ込もうとしない鞍上はこの馬の強みです。
ベッラレイアは枠とペースを考えれば上々のレース。本番では前の2強を目標に何とか、と言うところでしょう。
レインダンスの負けは決定的に思えます。この馬を上がり馬というにはどうか、と言ったのは色々な面を全て含めてのことですが、力関係でもやはりまだまだ差は大きそうです。
ピンクカメオに関しては、春が終わった時点では保留状態だった評価を、改めてしないといけません。
結論としては、マイルCは道悪の分は差し引いても、フロックではなかったと言うことです。
オークスでもそれなりの競馬をしたことである程度の結論は見えていましたが、今回の輸送競馬での好走で決まりでしょう。
聞くところによれば、春の栗東滞在時は美浦にいる時と比べてあまりに運動量が多くてかなり疲れているような状態だったといいます。
桜花賞に関してはその疲れを引きずっている状態だったとすれば、栗東での調教で力をつけたと言う、その後のレース振りも納得です。
マイルC以降の成績は素直に評価しましょう。
本番はウオッカ次第と言うことになるのでしょうが、ウオッカが力を出せるなら、ダイワ、ベッラレイアとの3強という形になるでしょう。
ローブデコルテがぶっつけで来ますが、この馬の評価はレインダンス辺りと同等です。
オークスは中身ではやはりベッラレイアが断然上です。
この辺りのグループは3強が崩れた時の候補と言うところまででしょう。
いずれにしても、春の実績をそのまま持ち越した形で考えてよいでしょう。


菊花賞に関しては、ロックドゥカンブのような馬を上がり馬というかどうかは分かれるところでしょうが、自分の中ではこれは上がり馬ではありません。
2戦目を勝った時点で、菊花賞でもどうか、と考え始めて、3戦目を勝った時点で菊花賞の候補に完全に入っていましたから。
良い位置で折り合いが付いて、終いもしっかり伸びる。馬込みの中でも自分のペースを崩さない。
そんなセントライト記念の内容は、春の実績馬と比べても安定感は上とも思えます。
神戸新聞杯の結果にはちょっと考えさせられます。
ドリームジャーニーに関しては、春からこれはマイルだけの馬では無い、と言い続けてきましたから、それが証明された形。要は折り合いだけ、と言うことです。
ただこういう馬ですから、展開次第で春のような結果にもなると言うことは覚悟しないといけません。
アサクサキングスに関しては、評価を改めないといけないようです。
ダービーに関しては、全く評価してませんでしたから。
無理なく良い位置に付けられるというのは、それだけで十分な武器になるということでしょう。
切れる脚が無い分勝ち切るのは難しいかも知れませんが、本番も好走する可能性は高いでしょうね。
ヴィクトリーのレース振りをどう見るかは考えどころです。
春から一番大きく変わってくる可能性があるのはこの馬だと思っていたんですが…
スタートをゆっくり出して、何とか折り合いをつけようというのは春から同じ。
結局、行きたがってしまうところも。
ただ今回は、どうにか馬の後ろで我慢することは出来ました。終いもジリジリとは伸びてきていました。
次はもっと上手く折り合ってしまうんじゃないか、とも思わせます。
ただ、こういう馬が出てくるとなぜみんな押さえ込もうとするのか、と思ってしまうのです。
逃げて目標になってしまうのが嫌だ、と言ってしまえばそれまでですが、こうして無理に押さえ込んで成功した馬がどれだけいるんでしょうか。
ローエングリンコスモバルクも、それによって潰された感さえしますし、サイレンススズカだって無理に押さえ込むのを止めたからこその、あの走りでした。
ここに来て調教で併せ馬もできるようになって、気性面での成長もあるでしょう。
その上で、この馬の逃げが見たいと思うのは自分だけでしょうか。
フサイチホウオーはどうしてしまったんでしょうか。
ここに来て、距離が長いんじゃないか?と言う声も聞かれるようになりました。
確かにあの馬体を見る限りは、とても長い距離が良いとは思えませんが、でも今回はそんなことが原因の負け方じゃなかったですよね。ダービーの方がまだ走ってます。
いずれにしても、この負け方では本番で巻き返してくると言うのは考えづらいですね。
1000万下を勝ってきた馬を何でも上がり馬だといって、印を付ける人たちが多いですが、もちろん要は内容です。
上がり馬が見当たらないと言ったのは、そんな馬の中に本番で勝負になりそうな馬が見当たらなかったからです。
そんな中、ホクトスルタンが好走しましたが、やはり上位とは少し差を感じました。
ただ、今年の自爆含みの馬が多いメンバーを考えれば、もし出てこられれば、脚質的にも上位に来るチャンスはあるのかも知れません。
本番は基本的にはロックドゥカンブを含めた春の勢力を中心に考えることになりそうですが、何せ牝馬にダービーを取られた世代ですから、一筋縄には行かないかも知れません。
トライアルから変わってきそうな馬にも注意したいところです。