レース後に武豊が「今日の馬場は難しかった」と言っていましたが、正にその辺り、各馬のコース取りが上位3頭の明暗を分ける形になりました。
アドマイヤムーンはジョッキーの言うように下手に乗ったと考えるか、内で上手く乗ったと考えるかは微妙なところですが、結果としては「上手くいった」とは言えるでしょう。
好スタートを切って好位の内で我慢する形。
パンパンの馬場がダメだと考えるなら、少し荒れてきた馬場も合ったのかもしれませんし、速い脚が短いと考えれば、その一瞬の脚で早めに抜け出して粘り込む形も良かったのでしょう。
何れにしても、終始内を通って上手く抜けてきたことで、不安視された距離も克服した形でしょうか。
ポップロックも好位で上手くいっている感じでしたが、直線で外に出しているうちに先に抜け出された分、届きませんでした。
荒れた内目を嫌ったのか、コスモバルクの隣を嫌ったのかは分かりませんが、結果としてはもったいない形でした。
しかし、やはりこの距離なら互角にやれるというところは見せてくれました。
メイショウサムソンはいつもよりも少し後ろの位置取り。
しかもあのペースの上に、不利を受けることを避ける形で、外を回って上がっていく形になってしまいました。
鞍上がそれでも勝てると思っていたかどうかは分かりませんが、実際単勝人気ほどの力の差は無いですからね。
それでも、内容を考えれば、この距離ならやはりこの馬が一番強いというところでしょうか。
3歳ならウオッカよりもヴィクトリーを、と言ったのはウオッカにどうか?と思われる厳しい流れに持ち込んでくれることをヴィクトリーに期待したからですが、ヴィクトリーが出遅れた時点でその話は無くなってしまいました。
結局ウオッカはダービーと、位置こそ違いますが、同じようにプレッシャーを受けずに折り合える場所を見つけて末を爆発させる形になりました。
確かに凄い脚ではありましたが、あの競馬しかできないのであれば、この馬は「強い馬」と言うよりは「嵌ると凄い馬」に過ぎません。
しかも4キロ貰って走れるのはこれで最後です。
もちろん、「強い牝馬」ではありますが、それ以上では無いでしょう。


しかし、先週の競馬と今日の競馬を見ると、あの天皇賞はもったいないレースだったと改めて思いますね。
アドマイヤムーンはこれで引退でしょうか。
何とかもう一回、この組み合わせを有馬記念で見られないものでしょうか。