馬場の乾きは思いの外早く、時計こそ掛かっていたものの、道悪の巧拙が影響するほどの馬場ではなかったように思います。
各馬が力を出せたかどうかは、人気の差によるジョッキーの心理にあったような気がします。
上位に来た馬たちは、前走よりも人気を落としていた馬や前走好走しながらもそれほど人気にならなかった馬。
気楽に乗れる立場でした。
一方1,2番人気は人気を意識し過ぎていたように感じました。
以前何かで安藤勝己武豊について「勝とうという気持ちを馬に伝えないところが凄い」という意味のことを言っているのを読んだことがあります。
正にそのあたりが人気の2頭の結果に出ているように思うのですが。


リトルアマポーラはやはり大外枠が響いた形で、終始大外を回り続けて直線では伸びを欠きました。
しかしそれ以上に、馬上での鞍上の不自然な動きが目に付いてしまいました。
4角ではやたらと外を気にしてあせっている感じ。
自分のペースで走っている感じはしませんでした。
クラシックで人気馬に乗るには、まだまだ足りないジョッキーですね。
そうでないときには、思い切った良い騎乗を見せてくれるんですが。
レッドアゲートはスタート後に押して好位を取りに行きました。
自分のポジションを取りに行くのは悪いことではありませんが、今回に関してはそれが終い伸びなかったことに繋がっているように思います。
今回だけではなく移籍してから数ヶ月見て感じていることでもありますが、この鞍上ももっとビッグレースで揉まれる必要がありそうです。
今回人気を落としたトールポピーは今回は積極的に前に行きました。
しかしいくら思い切って乗ると言っても、あんな自由過ぎる騎乗はどうなんでしょうか。
降着なく確定した時は、あれがアリなの?と思いましたが、後になって騎乗停止だけは課せられたよう。
どう考えたって混乱を避ける為に降着にしなかったとしか思えませんね。
あんな乗り方をしてゴール直後にガッツポーズをしてウイニングランまでした騎手にも呆れてしまいました。
エフティマイヤはまたしても堂々とした競馬。
距離も馬場もダメだと思っていたものとしては、脱帽です。
暖かくなって調子を戻してきたのか、転厩が良かったのかは定かではありませんが、これは本物と考えるしかないですよね。
ただ、強い馬だということでしょう。
レジネッタは上手に乗られて距離も問題なかったですね。
ブラックエンブレムは折り合いついて堂々とした競馬。
減っていた馬体も、寧ろ丁度良いくらいに見えました。
真っ向から勝負した分、終い一杯でしたが、秋の2000mが楽しみです。
ソーマジックは直線寄られるところはありましたが、脚もなかったようです。
やはり距離でしょうか。
スペルバインドは前走の好走で厳しいローテでもまだお釣りがあるのかと思わされてしまいましたが、前走で使い切ってしまっていたようです。


人気ほどの差は無かった、というのは桜花賞後と同じでした。